スピードKeiの初心者向け投資術

人はなぜお金を投資・運用できないのか?その理由や初心者が投資を経験するための具体的方法を「貯蓄に狂っていた僕」がお伝えします。

これ重要!投資信託の分配金再投資(その1)

投資信託の分配金再投資とは>


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この章では、分配金の再投資について説明します。

 

Q)えっ?再投資?投資信託の分配金の意味は、今までの説明で分かりましたが、再投資とは何ですか?分配金は受け取るものじゃないんですか?

A)もちろん分配金は受け取るものですが、その受け取り方法に、実は「2パターン」あるのです。それを説明します。

 

おさらいします。

  • 分配金・・・投資信託の運用で得た利益を、分配金として受け取ることが出来ます。投資信託の種類によって、分配される金額・回数はそれぞれ違います。
  • 口数・・・・投資信託の取引単位であり、基本的に投資信託は口数で管理します。10,000口 が基準単位となっております。

以上を踏まえ、再投資とは・・・

 

分配金の再投資とは

分配金の再投資とは、読んで字のごとく・・・受け取った分配金を再度、そのファンドに投資(購入)することです。

簡単に言うと、分配金 100円 を受け取ったら、100円 分そのファンドに投資(購入)するということです。

 

Q)そんな少ない金額で買えるの?10,000口 単位って言ってたじゃないですか?

A)はい、買えます!分配金再投資はどんなに少ない金額であっても買えます。

Q)でも、その都度購入するんでしょ?手続きが面倒くさそう・・・

A)いえいえ!再投資による購入手続きは不要です。分配金が出たと同時に、自動的に購入してくれます。

 

ですので、「分配金型投資信託」を購入するときは、必ず「分配金は受け取るか?再投資するか?」決めなければなりません。

 

<分配金受け取りを選んだ場合>

投資信託 ⇒(¥分配金¥) ⇒ 投資家

投資信託からの分配金は、直接投資家の元へキャッシュで還元されます。

 

<分配金再投資を選んだ場合>

投資信託 ⇒(¥分配金¥) ⇒ 投資信託

投資信託からの分配金は、投資家の元へはいかず、直接同じ投資信託を自動的に購入します。

 

分配金を再投資したときの流れ(その1)

僕が初めて買った投資信託「底力」を例に、具体的に説明します。

まずは僕があみだした「商品分析5項目」を使い、購入当時の条件で算出してみます。

  1. 種類   株式ファンド
  2. 基準価格 11,500円
  3. 手数料  3.24%
  4. 分配回数 年2回
  5. 分配金  320円(160円 × 2回)

まず投資信託を買ったら、真っ先に手数料と口数を算出してください。そして必ず口数で管理してください。

 

◯手数料  :投資額 100,000円 × 3.24% = 3,240円

◯実質投資額:投資額 100,000円 - 手数料 3,240円 = 実質投資額 96,760円

◯口数   :実質投資額 96,760円 ÷ 基準価格 11,500円 × 10,000口 =口数 84,139口

 

<分配金受け取りの場合>

分配金は 10,000口 あたり年2回( 320円) 出るので、320円 × 84,139口 ÷ 10,000口 = 2,692円

分配金受け取りを選択した場合、1年間に現金で「2,692円」受け取れます。

 

<分配金再投資の場合>

では、分配金を再投資した場合はどうなのか?

先ほど、分配金が手元に還元されず、自動的に同じ投資信託を購入すると説明しましたよね。購入ということは、分配金の 2,692円 で投資信託を買って口数を増やすということなんです。

 

分配金の 2,692円 でどのくらい?何口?購入できるのか。具体的計算は以下の通りです。

分配額 2,692円 ÷ 基準価格11,500円 × 10,000口= 2,340口

再投資をすると、1年間で 2,340口 を購入することができます。

その結果・・・

 

当初購入した投資信託 84,139口 + 再投資で購入した投資信託 2,340口

= 86,479口(ふっ…増えた!)

 

このように、分配金を受け取らず再投資すると、口数が増えるのです!

口数が増えるということは、投資信託の価値の元となる部分が増えるので、この時の投資信託の資産価値は、11,500円 × 86,479口 ÷ 10,000口 = 99,450円 となり

 

当初の投資信託の実質資産価値   96,760円(11,500円 × 84,139口)

再投資した時の投資信託の資産価値 99,450円(11,500円 × 86,479口)

口数が増えているので、基準価格が1年間変わらないと仮定したら、再投資した方が「2,690円」の含み益が発生しているってことになります。

 

しかもこの再投資、実はとんでもない力を持っているんです!

 

例えば基準価格が「当初 11,500円 ⇒ 半年後 12,000円 ⇒ 1年後 13,000円」という推移で上昇したと仮定します。。

1年経過後、どうなっているでしょうか?

 

<分配金受け取りの場合>

1年後の価値:基準価格13,000円 ×  84,139口 ÷ 10,000 = 109,380円 

分配金1回目:160円 × 84,139口 ÷ 10,000口 = 1,346円

分配金2回目:160円 × 84,139口 ÷ 10,000口 = 1,346円

 

1年後の総資産額:109,380円 + 1,346円 + 1,346円 = 112,072円

 

<分配金再投資の場合>

再投資1回目:160円 × 84,139口 ÷ 10,000口 = 1,346円

       1,346円 ÷ 基準価格12,000円 × 10,000口= 1,121口

再投資後口数:84,139口 + 再投資1,121口 = 85,260口

 

再投資2回目:160円 × 85,260口 ÷ 10,000口 = 1,364円

       1,364円 ÷ 基準価格13,000円 × 10,000口= 1,049口

再投資後口数:85,260口 + 再投資1,049口 = 86,309口

 

1年後の総資産額:86,309口 × 基準価格13,000円 =112,201 円

 

<1年後の総資産額>

分配金受け取りの場合:112,072円

分配金再投資の場合 :112,201円

結果、分配金再投資の方が「+129円」多いことになります。

 

このように、口数が増えると、基準価格が上がった時に、モロに含み益に直結するってことなんです!

 

今回は1年間の試算だったので、たった「+129円」の差でしたが、これがもし、投資金額 1,000,000円 だったら「+1,290円の差」、投資金額 10,000,000円だったら「+12,900円の差」、しかも投資期間が長く、再投資の回数が多ければ多いほど、ますます差がつく。

 

つまり、基準価格が上昇傾向時の再投資は、投資額が多ければ多いほど、投資期間が長ければ長いほど、利益に差がついていくのです。

 

これが「再投資の力」です。

 

人間は、目先のキャッシュに目がくらんで、分配金受け取りを選ぶことが多いです。確かに毎月、給料以外にキャッシュが入ってくると、嬉しいですからね〜。

※日本では、分配型投資信託を選ぶ人が多く、特に「毎月分配型」投資信託を選ぶのは、投資初心者に多いです。

 

しかし、本来の投資信託の運用法は、分配金再投資を繰り返し、次々と口数を増やし、長い年月をかけて資産を膨らましていく・・・これが投資信託の本来のあるべき姿なのです!

 

最後に

どうでしたか?再投資の力・・・分かりましたか?

あとからジワジワ本領を発揮してくるのが再投資です。これは是非初心者は頭に入れておいてください。

 

この章では、分配金を再投資しながら運用し、運用中に基準価格が上がると、資産価値が高まり、含み益が増える方法(その1)をお伝えしました。

 

<要点はこれ!>

  • 給与以外の現金収入が欲しいなら、分配金受け取り型を。投資した資金を含み益で太らせ、評価額を高めたいなら、分配金再投資型を。
  • 基準価格が右肩上がりにあがっている投資信託は、分配金受け取り型より、分配金再投資型のほうが間違いなく儲かり、資産価値がふくらむ。

 

では、次の章は、分配金を再投資して、基準価格が下がった場合(その2)をお伝えしますね。