これを読め!初心者のための「iDeCo」
< iDeCo とは?>
つみたてNISA に続いて、初心者向けの運用商品第2弾!
その名も「 iDeCo 」
また専門用語~??って思うかもしれませんが、訳すと「個人型確定拠出年金制度」また、正式名称を「individual-type Defined Contribution pension plan」略して「 iDeCo 」(イデコ)と言います。
Q)・・・・・(沈黙)
A)わからないですよね・・・。でも大丈夫です。「 iDeCo(イデコ)」この名称だけ覚えれば、世間で通用しますので安心を!
それでは、まず iDeCo とはどういう商品なのか、簡単に説明すると「積立型の非課税投資信託」です。
Q)あれっ?どこかで聞いたような・・・。あっ!つみたてNISA と同じじゃないですか?
A)確かに、積立型の非課税投資信託という意味では、同じですね!でも、この iDeCoには、他にもっとすばらしい特典がついているのです。
では初心者向けに今回も説明していきましょう!
iDeCo の概要
- 加入対象者は日本在住の20歳以上60歳未満の方
- 積立期間は60歳まで
- 月額積立金は、最低 5,000円 以上 1,000円 単位
- 月額積立金に上限あり
- 積立金は投資信託等で運用
- 積立期間中の運用益は非課税
- 60歳までは解約できない
- 積立の休止はいつでも可能
- 積立金は全額所得控除
今まで、僕のブログを読んできた初心者なら、これらの説明を聞いて、なんとな~く商品のイメージ出来るようになってきていると思います。
では、今回も小学生でもわかるような表現で説明したいと思います。
1. 加入対象者は日本在住の20歳以上60歳未満の方
はい!これは読んで字のごとくです。以上!(笑)
2. 積立期間は60歳まで
積み立てられる期間は自分が60歳になるまで、つまり59歳11か月目が最終積立月です。なぜ期限が決められているかというと、この商品は貯まった資産を将来「年金」として受け取ることを前提としているからです。個人型の積み立て年金と思ってください。
3. 月額積立金は最低 5,000円 以上 1,000円 単位
つみたてNISA とは違い、iDeCo は最低 5,000円 以上となります。
4. 月額積立金に上限あり
ここはポイントです!実はこの商品、月の積立金額に上限があるのです。
◯自営業の方 上限 68,000円
◯会社員の方 上限 23,000円
◯公務員 上限 12,000円
この上限を超えての積み立ては出来ません。理由はあとで説明します。
5. 積立金は投資信託等で運用
つみたてNISA と同じで、iDeCo のために選定されている投資信託の中から自分で選び、運用します。もちろん投資信託なので、プロのファンドマネージャーが運用しますので、基本ほったらかしでOKです。
また、「絶対リスクを取りたくない」という人のために、元本保証型の定期預金があります。投資信託ではなく、定期預金での運用も可能ということです。
6. 積立金期間中の運用益は非課税
これは、つみたてNISA と同じですね!運用中に得た利益はすべて非課税であり、20.315% という余計な税金はかかりません。運用中に得た利益は、まるまる受け取ることができます。
7. 60歳までは解約できない
実はここもポイント。この商品は基本的に60歳までは解約できません。将来の個人の年金のために作られた商品なので、60歳になって初めて解約できるのです。
8. 積み立ての休止はいつでも可能
60歳まで解約できないので、時には金銭的にキツい月もあることでしょう。そのときは、一旦積み立て休止が出来ます。休止しても、今まで積み立てた残高は投資信託で運用されているので、安心してください。
9. 積立金は全額所得控除
これが iDeCo 最大の特徴、メリットといってもいいでしょう。所得控除という意味が分からない方へ説明すると、所得税・住民税が節税できる、つまり支払うべき税金を抑えられるということです。
iDeCo は、将来の年金のために積み立て、資産を増やしながら、節税できる商品なのです。これは実に嬉しいことですね!
具体的にどういうことかというと、年末調整のとき、所得税が今まで以上に戻ってきますし、住民税は、昨年の住民税(市民税・町民税)と比べて、必ず安くなります。
上記 4.で「あとで説明する」と言ったこと覚えていますか?月額積立金に上限をもうけている理由のことです。
所得税の軽減や住民税が軽減される理由は、積立金が全額所得控除だからです。サラリーマンの上限は 23,000円 なので、iDeCo で毎月 23,000円 積み立てている人は、23,000円 全額所得控除されるということです。
所得控除を極端な例でわかりやすく説明しますね。
①iDeCo をやっていないサラリーマン
年収 3,500,000円 × 所得税 20%= 700,000円
結果 700,000円 の税金を支払うことになります。
②iDeCoを毎月23,000円やっているサラリーマン
年収 3,500,000円 - (23,000円 × 12ヶ月)=3,224,000円
※上記の( 23,000円 × 12ヶ月 )が所得控除です。
3,224,000円 × 所得税 10% = 322,400円
※3,224,000円の所得税率は10%になります。
結果 322,400円 の税金を支払うことになります。
700,000円 - 322,400円 = 差額 377,600円!
iDeCo をやっていないサラリーマンは、377,600円も多く税金を支払わなければならないのです。
Q)え~~~っ!iDeCo の所得控除ってこんなに効果があるんですか?
A)そうなんです!(笑) これが、積立金全額所得控除のメリットなのです!だから上限を決めているんです。上限を決めなければ、極端にやる人が出てきますよね(笑)
やればやるほど税金を抑えられるので、極端な税金逃れを防ぐための上限措置なのです。
60歳で年金( iDeCo )を受け取るとき
無事60歳になりましたら、投資信託の運用で増えた資産を現金で受け取ることができます。その場合、一括で受け取る「一時金受け取り」または、毎月分割で受け取る「年金受け取り」が選択できます。
万が一、60歳前に高度障害になってしまった場合や、死亡してしまった場合は、その時点で一時金で受け取れます。(もちろん死亡の場合は、遺族の方が受け取ります)
Q)なるほど!よく分かりました。ここまで聞くと、メリットしかないように聞こえますが、逆にデメリットはないのでしょうか?
A)デメリットというかどうか分かりませんが、iDeCo を契約する前に必ず頭に入れなければならない条件がありますので、それを説明しますね!
iDeCo の留意点
- 加入時に手数料がかかる。
- 運用中に別途定期的な手数料がかかる。
- 年金としての給付時に受け取るごとに手数料がかかる。
- 60歳までの通算加入期間が10年に満たない場合、受給開始年齢が遅れる。
1. 加入時に手数料がかかる
iDeCo はつみたてNISA と違って、加入時に手数料(2,777円 など)がかかります。この手数料は金融機関によってさまざまなので、相談するときは必ず担当者に確認してください。
2. 運用中に別途定期的な手数料がかかる
この商品は加入手数料の他に、積み立てる度に毎月別途手数料(167円 など)がかかります。これも金融機関で違うので、確認が必要です。
3. 年金としての給付時に受け取るごとに手数料がかかる
何と!またまたここでも手数料です。60歳を超え、年金として iDeCo の給付を受ける度に、手数料(432円 など)がかかります。これも確認してください。
4. 60歳までの通算加入期間が10年に満たない場合、受給開始年齢が遅れる
まず前提として、iDeCo の積み立ては60歳までです。例えば53歳で加入したとしましょう。60歳まで7年しかありません。どうなるのでしょうか?
加入期間が10年を満たない場合、加入期間によって、受給開始年齢(解約できる年齢)が決められているのです。(下図参照)
これが「受給が遅れる」というカラクリです。
最後に
iDeCo は、資産運用と節税のW効果があり、しかも60歳までの長期運用が原則なので、節税も含めた実質損益では、ほぼ間違いなく利益が出ます。
しかも開始時期が早ければ早いほど、利益が出る確率が上がり、利益額が大きくなります。逆に開始が遅ければ遅いほど、利益が出る確率が下がり、利益幅も小さくなります。
投資信託での運用の場合、運用期間が短いと、元本割れの可能性もありますので、短期間の運用はお勧めしません。
要点はこれ!
- iDeCo は、投資信託での運用なので、開始する時期が早ければ早いほど、長期複利効果(トータルメリット)が出やすい。
- 時間を味方につけて、最大限の運用益と節税メリットを得よ。
- 上限はあるが、全額所得控除なので、それを考慮した積立額の設定を。
- 積立額は年に1回だけ変更できる。時期や方法は金融機関へ確認を。
- 手数料がかかるので、そこだけは覚悟して運用すること。
- 60歳までは解約できないが、資産を増やすためのメリットとして捉えよ。
- 実は、投資商品の変更(スイッチング)が手数料0円で何回も出来る。その時に利益が出やすい投資商品を選んで、効率よく運用しよう。