2)預金・貯蓄にしか興味がなかった僕が投資に目覚めた理由(全5話)
<洗脳された銀行員時代 初期~中期>
- 無駄遣いするな!
- お金は貯めろ!
- 借金は何があってもするな!
- クレジットカードは作るな!
- 買いたい物があっても我慢しろ!
親から教わった上記5箇条を守り「貯蓄は正義」「不用な支出は悪」という洗脳を受けて育った僕は、大学卒業後、福島県のとある「銀行」へ就職しました。
23歳で銀行へ入社した僕は、顧客からお金を集める「預金」と、顧客へお金を貸し出す「融資」を中心に業務を行うことになります。
(現在の銀行は「融資」「保険」「私募債」「投資信託」を中心に業務を行っておりますが、僕が入った当時はまだ「預金」「融資」が全業務の9割を占めていました)
不用な支出を抑え、お金の貯め方を親から学んで生きてきた僕は、入社直後に何を思ったかというと「お金を貯めよう!」です。
「給料からお金を貯めよう!まずは預金・貯蓄の実績を自分自身で作ろう!」と考え、下記のことを実行しました。
- 初任給 178,000円(社会保険料や税金が引かれて、手取りは約 150,000円)
- 手取り 150,000円 - 定期積金 100,000円 = 給料残 78,000円
- 給料残 78,000円 - 実家の親 30,000円 = 最終残 48,000円
手取りの 150,000円 から、強制的に定期積金を口座引き落としにします。しかも給与支給日と同じ日に引き落としを設定します。
定期積金というのは、金融預金商品の一つであり、毎月の金額と積み立てる期間を決め、お金を貯める商品です。
その他、実家の親に毎月 30,000円 渡します。渡すというか車代の返済です。
通勤で車を使うので、親に車を買ってもらったのです。中古車のスカイラインR33型で、総額 1,800,000円 でした。
ちなみに車を買うとき、親は躊躇せず、すぐに買ってくれました。生活するうえで、必ず使うもの、無いと困るもの、そして「お金を出す価値がある」と判断したものには、出し惜しみはしないんです。
もちろん、ローンが嫌いな親は、迷わず一括払いでした。
以上のように、僕の給料の行き先は決まりました!
定期積金は、毎月 100,000円、期間5年(60ヶ月)で契約したので 100,000円 × 60回=600万円 を5年後の満期時に受け取ることになります。
入社時点で600万円を目標に積立してるんですよ?!!!僕・・・
異常ですよね・・・
まず新入社員は、自分で稼いだ給料で◯◯を買おう!◯◯に行こう!◯◯を食べよう!と、自分で好きなことに使いますよね!普通は。
周りから見たら、やはり僕を少し異常に感じたんでしょうね。当時の上司や同僚は、不思議な目で僕を見ていたことを思い出します。
親からの洗脳で「不用な支出は悪」という考え方になっている僕は、お金を使ってきていないので、使い方がわからないのです。
使い方がわからないので、お金を使おうという発想にならないのです。だからお金が入ると、貯める行為に走ってしまう。
またこうも考えました。
お金を貯めた実績があると、自分のその実例を出して、顧客にも貯蓄のメリットをセールス出来るし、契約へ導く説得力も増すはず!
また、貯めることで親から褒められる、そして預金が増えると、自分が将来への安心感を得ることが出来る。
預金・貯蓄 ⇒ ①査定高評価 ②親からの賞賛 ③安心感
預金・貯蓄ということを意識して働くだけで、3つも得ることが出来るなんて、なんと素晴らしいことなんだ!!
そんな僕は、もちろん預金業務で、かなりの成績を残しました。そして無事、定期積金も5年経過後の満期時に「600万円+利息」を受け取ったのです。
ちなみに、親にも 30,000円 × 5年(60回)= 180万円 を渡しているので、新入社員からの5年間で自分の給料から、7,800,000円貯めたことになります。
通帳を見ながらニヤニヤする人っていますよね?それまさに僕です!(笑) 残高が増えるたびに、通帳の残高をみながらニヤニヤしました。
そして順調に、預金・貯蓄の快感に狂って、お金を貯め続けていた僕ですが、入社6年目に突入する頃、銀行業務に対して「ある違和感」を覚えることになります。
~第3話へ続く~